2008年9月23日火曜日

投資銀行の行方そしてサブプライム問題とSOX法

投資銀行システムの消滅

アメリカ証券会社のシステムがとうとう崩壊してきました。21日に発表された、米連邦準備制度理事会(FRB)によって、米証券大手のモルガン・スタンレー(NYSE:MS)とゴールドマン・サックス・グループ(NYSE:GS)を従来型の銀行持ち株会社に変更するとの決定。これは投資銀行(証券会社)のシステムを消滅させるという事です。

投資銀行とはアメリカで発祥されたもので、日本でいえば証券会社になります。ヨーロッパなどではドイツ銀行やHSBCなど通常の銀行の形態をとりながら投資銀行部門をもつというのが一般的であり、純粋な投資銀行というのは存在しないと思います。日本においても、大手金融機関は商業銀行のビジネスモデルが基本となっています(MUFG、みずほ、三井住友・・・)。また証券会社のビジネスモデルもアメリカの投資銀行モデルに比べると、自己リスクを比較的取らない収益構造のため、このような大事件には発展しませんでした。余談ですが、日本では法規制の観点から銀行が証券業務を行えないため、”銀行”と”証券会社”は別会社にされています。

そして一連の大事件。ベアスターンズから始まり、リーマンブラザーズ、メリルリンチ、の問題。そしてとうとう米投資銀行トップ2のビジネスモデル変更。大きな転換期に来ているのは間違いありません。

サブプライム問題そしてSOX法

昨年から続くサブプライム問題とは、裏を返せば流動性問題(liquidity crisis)であり、資金調達力の違いが今までの倒産劇を産んできたと言えます。証券会社の形式をやめるということも、資金調達方法として短期資金に頼る方法をFRBが許さないという強い決定であり、今後より監督が強まっていく事が予想されます。

2001年に始まったEnron、WorldComといった会社の倒産によるSOX法の設立。2007年に始まったサブプライム問題によるFRBの監督強化。考えてみると、形は違えど、歴史は繰り返すものです。(あまりに短い間での出来事ですが。)

今回の問題が今後どう発展するかはまだ分かりませんが、少なくとも金融機関にとって大きな転換期に来ていることは間違いありません。まだまだサブプライム問題の夜明けは見えないですね。

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