2008年9月26日金曜日

ABA meet with SEC for issues on Fair Value accounting

再びFair value accountingについてです。下記ニュースを見つけたので、少しコメントしてみます。
CFO.com
http://www.cfo.com/article.cfm/12287228/c_12304033?f=home_todayinfinance

これは、アメリカの銀行業協会がSECに対し、時価会計は本来の資産価値を反映せず、現在の市場環境において適用するのは適切ではない、とのコメントをしたようです。

大暴落マーケットにおいて、市場価格は本来資産がもつ資産価値を反映しておらず(たたき売り価格のようなもので)、現在資産を売ることを考えていれば正しい価値ですが、もし売ることを考えていないならば、適切な価値ではないとの理論です。もし今後も資産を保有し続ける限り、本来の資産価値を反映するように将来キャッシュフローに基づいた割引現在価値を使うなどして、本来の資産価値を反映させるべきとのコメントです。

この本来の資産価値を割引CFで出そうという理屈は、金融商品以外の資産であれば正しい考えであり、必ずしも間違ったことを言っているとは思いませんが、銀行が苦しくなったからその理由を会計に押し付けているようにも見えます。。。現在の会計においても満期保有目的債券の考え方や、売却可能有価証券(Available for sale)といった考え方に基づいて、金融商品の損益を売却時まで認識しなくてもよい方法はあります。ただ、銀行がトレーディングデスクで行っている金融取引は売買目的有価証券としてFair Value accountingを使う必要があり、多くの問題が露呈しているのは確かです。

今後こうした声にどのように応えていくのか、非常に興味深い問題だと思います。

0 件のコメント: