2013年2月19日火曜日

【今日のFT】Fears at Fed of rate payouts to banks


(今日のニュース)
US Federal Reserve officials fear a backlash 
from paying billions of dollars to 
commercial banks when the time comes to raise interest rates.

(単語)
  • Federal Reserve: 【名】連邦準備金(制度)、連邦準備
  • official: 【名】職員、公務員、役員、当局者
  • backlash: 【名】反動、反発、反感
  • commercial bank: 【動】市中銀行、民間銀行、商業銀行
(訳)

米連邦準備銀行の当局者は、金利を引き上げることになる時期が
来たときに、民間銀行へ数十億ドルを支払うことによる反感を恐れている。


(ポイント)
US Federal Reserveは「米連邦準備金制度」「米連邦準備銀行」といった意味
があります。ここではニュースのタイトルにFedという表現が使われていますので、
一般にthe Fedは連邦準備銀行を表現することから、米国の中央銀行関係者
という意味で訳しました。

backlashというのはニュース英語で頻出するのですが、上述のとおり
「反発」や「反感」という意味をもちます。

commercial banksは一般的にはinvestment bank「投資銀行」と
commercial bank「商業銀行」との区分けで使われることが多いと思いますが、
ここでは中央銀行に対する比較での「市中銀行」「民間銀行」という意味で
使われていると思います。

when the time comesは「その時がくれば」という意味をもちますので、その後の
文章とあわせて「金利を引き上げることになる時期が来れば」となります。

米国の量的緩和策により中央銀行のバランスシートが拡大しており、
膨れ上がった準備預金(民間銀行の預金)に対して今の金利水準から
金利が上がるときに、民間銀行へ多額の預金金利を支払うことに対する
一般市民からの反感を恐れている、というニュアンスになります。

(最後に)
まだまだ銀行ビジネス、銀行員の給与に対する批判の声は止まりません。
金融危機により銀行を救済、中央銀行による量的緩和策、そして銀行を
救済した後に、今後訪れる金利上昇時にまた銀行がメリットを享受するのか
という反発を恐れているという記事でした。

2013年2月18日月曜日

【今日のFT】Bank pay curbs


(今日のニュース)
The most stringent curbs on banker's pay since the 2008 financial crisis 
to be imposed by the EU.

(単語)

  • stringent: 【形】(規制などが)厳しい
  • curb: 【名】(活動などの)抑制、制限
  • crisis: 【名】危機、難局
  • impose: 【動】(義務・負担・税金などを〕課す、負わす
(訳)
2008年の金融危機以降、銀行員の給与に対し、
最も厳しい制限がEUにより課される。

(ポイント)
curbは「囲い」「歩道の縁石」といった意味もありますが、ニュースにおいては
「(活動などの)抑制、制限」という意味でよく使われます。

stringentという「厳しい」という意味を持つ形容詞と一緒に使われることで
stringent curbsは「厳しい制限」という意味になります。

つまり、銀行員の給与に対してある種の規制、制限を課すということです。

financial crisisは昨今では2007年から2009年頃を表現することが多い
ですが、financial「金融」crisis「危機」で、「金融危機」になります。

to be imposedについては、be to doという構文になっており、
これは将来を想定し「~することになっている」となります。

つまり、「(制限を)課されることになっている」となり、EUが近い将来に
銀行員の給与に対する制限、規制を課そうとしていることが分かります。

(最後に)
まだまだ銀行ビジネス、銀行員の給与に対する批判の声は止まりません。
今後は世界における様々な規制が会社のみならず、このように個人の
活動にも及ぶことになります。銀行員の給与という観点だけではなく、
「グローバルな規制への流れ」という今後の世界の動きをとらえて、
日々のニュースを感じていきたいと思います。


2011年4月2日土曜日

東日本大震災

2011年3月11日、信じられないことがおきました。こんな事が日本で起きたこと、そして今も辛い状況に置かれている方々が非常に多くいる事態が信じられません。この度の震災により犠牲になられた方々とご遺族の皆様に対し、お悔やみを申し上げます。また被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。そして、被災地の一日も早い復旧をお祈りいたします。 私自身が出来ること、今出来ていることは非常に小さいですが、少しでも被災された皆様の力になれるよう、出来る限りの事をしていきたいと思います。そして、この震災により、私自身も生きている意味を再確認するようになりました。生きている限りは日々の生活を精一杯に、そして笑顔で過ごさなければいけないと。そして、自分の思いをまたブログに残そうと思い、再開することにしました。 繰り返しになりますが、被災者の皆様が元の生活に早く戻れるよう、心からお祈り申し上げます。

2008年9月26日金曜日

ABA meet with SEC for issues on Fair Value accounting

再びFair value accountingについてです。下記ニュースを見つけたので、少しコメントしてみます。
CFO.com
http://www.cfo.com/article.cfm/12287228/c_12304033?f=home_todayinfinance

これは、アメリカの銀行業協会がSECに対し、時価会計は本来の資産価値を反映せず、現在の市場環境において適用するのは適切ではない、とのコメントをしたようです。

大暴落マーケットにおいて、市場価格は本来資産がもつ資産価値を反映しておらず(たたき売り価格のようなもので)、現在資産を売ることを考えていれば正しい価値ですが、もし売ることを考えていないならば、適切な価値ではないとの理論です。もし今後も資産を保有し続ける限り、本来の資産価値を反映するように将来キャッシュフローに基づいた割引現在価値を使うなどして、本来の資産価値を反映させるべきとのコメントです。

この本来の資産価値を割引CFで出そうという理屈は、金融商品以外の資産であれば正しい考えであり、必ずしも間違ったことを言っているとは思いませんが、銀行が苦しくなったからその理由を会計に押し付けているようにも見えます。。。現在の会計においても満期保有目的債券の考え方や、売却可能有価証券(Available for sale)といった考え方に基づいて、金融商品の損益を売却時まで認識しなくてもよい方法はあります。ただ、銀行がトレーディングデスクで行っている金融取引は売買目的有価証券としてFair Value accountingを使う必要があり、多くの問題が露呈しているのは確かです。

今後こうした声にどのように応えていくのか、非常に興味深い問題だと思います。

2008年9月24日水曜日

世界に示す日本金融機関の存在感

野村HDによるリーマンブラザーズ欧州・中東部門の買収が決まったようです。リーマンの欧州部門については以前から英銀大手バークレイズが買収提案していた他、この数日間の間にスタンダートチャーターズも買収に乗り出していました。そこを押しのけての買収劇になりました。また日本ではすでに報道されている通り、MUFGによるMSへの超大型出資も決まり、いよいよ日本の金融機関の存在感が世界に出てきました。

長いトンネルを通過していた日本の金融機関。まだまだ買収劇は止まらないはずです。これからどんなドラマが待っているか楽しみですね。

2008年9月23日火曜日

投資銀行の行方そしてサブプライム問題とSOX法

投資銀行システムの消滅

アメリカ証券会社のシステムがとうとう崩壊してきました。21日に発表された、米連邦準備制度理事会(FRB)によって、米証券大手のモルガン・スタンレー(NYSE:MS)とゴールドマン・サックス・グループ(NYSE:GS)を従来型の銀行持ち株会社に変更するとの決定。これは投資銀行(証券会社)のシステムを消滅させるという事です。

投資銀行とはアメリカで発祥されたもので、日本でいえば証券会社になります。ヨーロッパなどではドイツ銀行やHSBCなど通常の銀行の形態をとりながら投資銀行部門をもつというのが一般的であり、純粋な投資銀行というのは存在しないと思います。日本においても、大手金融機関は商業銀行のビジネスモデルが基本となっています(MUFG、みずほ、三井住友・・・)。また証券会社のビジネスモデルもアメリカの投資銀行モデルに比べると、自己リスクを比較的取らない収益構造のため、このような大事件には発展しませんでした。余談ですが、日本では法規制の観点から銀行が証券業務を行えないため、”銀行”と”証券会社”は別会社にされています。

そして一連の大事件。ベアスターンズから始まり、リーマンブラザーズ、メリルリンチ、の問題。そしてとうとう米投資銀行トップ2のビジネスモデル変更。大きな転換期に来ているのは間違いありません。

サブプライム問題そしてSOX法

昨年から続くサブプライム問題とは、裏を返せば流動性問題(liquidity crisis)であり、資金調達力の違いが今までの倒産劇を産んできたと言えます。証券会社の形式をやめるということも、資金調達方法として短期資金に頼る方法をFRBが許さないという強い決定であり、今後より監督が強まっていく事が予想されます。

2001年に始まったEnron、WorldComといった会社の倒産によるSOX法の設立。2007年に始まったサブプライム問題によるFRBの監督強化。考えてみると、形は違えど、歴史は繰り返すものです。(あまりに短い間での出来事ですが。)

今回の問題が今後どう発展するかはまだ分かりませんが、少なくとも金融機関にとって大きな転換期に来ていることは間違いありません。まだまだサブプライム問題の夜明けは見えないですね。

2008年9月22日月曜日

脆弱なFinancial Markets

本日から仕事始めです。それにしても先週のMarketの動きはすごかったですね。一つ一つのニュースにマーケットが大きく動くこの状況は、正常な動きとはかけ離れています。

そもそも問題の根源は、いったい何が問題なのかがはっきり分かっていない点・・・つまり金融機関が抱えているリスクがどれほどなのか、いったい何が問題なのかの全容が把握されていない点だと思います。

昨年のサブプライム問題から始まり、Credit crisis、 liquidity crisis、そして様々な個別Credit issues(モノライン会社の信用性低下、格付けの信頼度低下により高格付け会社の問題露呈、ベア・スターンズ、AIG、Lehman・・・)。こうした数々の問題が起きている事は確かですが、それ以上に、複雑化した金融商品が含む本当のリスクがどれだけなのか、その全容が把握できていないのが問題です。

話題の中心である投資銀行においても、保有する金融商品のリスクの全容は把握出来ていません。それが証拠に、マーケットの動きに合わせるように”サブプライム損失の拡大”といったニュースが後を絶ちません。証券化商品の開発、レバレッジ商品の開発は高度に進んだ結果が、元の原資産のリスクを見えなくし、また誰も原資産のリスクを見なくなってしまったのだと思います。

一方、通常の貸付業務の比率が高い日本金融機関は、これまで常に原リスクである貸付者の信用リスクの判定といった、基本的事項を行ってきたことから、世界的な大被害から免れているのだと思います。手元資金の豊富な日系金融機関にとっては、今のマーケットは絶好の買収時期ですね。