2008年3月21日金曜日

仏銀行不正事件-SOCIETE GENERALE (内部統制)

この事件は内部統制の網を巧妙にくぐり抜けた事件であり、私が一番問題だと考えているのは、ITシステムに不正アクセス可能だった点、そして取引のキャンセルを自ら行え、そのチェックが有効に機能していなかった点です。

もちろん他の点も問題なのですが、実際問題として、取引確認(Confirmation)がすぐに行われない事はあり得る話ですし、それ自体が行われなくても、怪しまれずに取引は成立してしまいます。文書の不正にしても、やはり精巧に偽装されれば、発見できなかったとしても、仕方ない気もしてきます。

不正の発覚は取引相手の異常性に気付いた会社が調査を実施した事でした。これに関しては、やはり前回書いたように、もっと早くConfirmationの代替的手続きを行う事により事件の早期発見が出来たはずだと思います。

また、Newsでは触れられていませんが、一般的な話として、バックオフィスによるトレーダーのポジション管理が、損益の動き(P&L)、またVaRといったマーケットリスクの動きだけで管理している点も実は問題だと考えています。なぜなら、それらはシステムによって入力された取引が実在する事を前提に作り出された数値であり、決して実際の取引自体を管理している訳ではないからです。

もちろん膨大な量の取引を1件ずつ管理する事は投資銀行において現実的ではありません。ただ、現状の管理方法、内部統制には限界があると言う事も、認識し、常に不正を防止するべくアンテナを張っておく必要があるのだと思います。

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